審査講評
熊本県立大学環境共生学部教授 篠原 亮太
今年度の熊本県科学研究物展示会は、第70回という記念すべき展示会でした。この記念すべき展示会におきまして栄えある賞を受賞された皆様おめでとうございます。今回、審査委員長として、県内各地から選抜された小、中、高の児童生徒の作品、先生方の作品を審査しましたが、どの作品もアイディア溢れ、また丁寧に調査された優れたものばかりで、審査には大変苦労しました。
展示会に出品された作品は、多種多様ではありますが、いくつかのグループに分けることができます。例えば、なぜだろうなぜかしらと疑問に思ったことを詳細なデータを集めて解明されたもの、また、もっと便利な方法や道具はないだろうかと考え、素晴らしいアイディアで作られたものなどです。それら優れた作品に共通しているのは、自分の日常生活の身近なところに、疑問や課題を感じ取ることのできる研究者の優れた感性だと思います。
科学研究テーマの多くは、日常生活の中に潜んでいます。自然の原理やしくみに興味を持ち、これを観察し科学的データを解明することによって、新たな技術や情報を得ることができるのです。
これまで、天然資源の乏しい日本は、科学立国と言われるように、優れた科学力によって繁栄してきました。科学展のような展示会を通して、子供の頃から科学に慣れ親しむことで、日本の科学力がさらに強くなることを期待します。将来、この熊本の地からノーベル賞受賞者が出ることも決して夢ではないかもしれません。
科学は、人の生活を清潔で豊かにした反面、環境汚染も引き起こしてきました。科学と自然が調和する社会は、世界を平和にし、明るい未来を築くことでしょう。この実現のためには、鋭い感性を持つ若い皆さんの科学への関心や取り組みが必要です。皆さんの今後の活躍を心から祈念しまして、審査講評といたします。